ボトックス注入
筋肉を酷使すると、その筋肉の上層にある皮膚に細かいシワが刻まれます。顔面の表情筋(額・眉間・目尻など)は無意識のうちに一日に何万回も収縮・弛緩して酷使されます。そのため、シワが刻まれ表情ジワとなるわけです。さすがのボディビルダーでも、一日に何千回もベンチプレスを出来る人もいないし、する人もいませんよね。
だから、腕・腹・腿にシワは出来ないのです。脳から筋肉を動かす指令を表情筋に伝える連絡路をブロックしてしまうのが、ボトックス注射です。すなわち、ボトックス注射をした部位は脳から表情筋を動かす指令が発せられても、指令が伝わらず表情筋が動きません。従ってシワが出来なくなります。
表情筋の良い適応は額・眉間・目尻・鼻根部のシワです。
ただし、注意していただきたいのは、額のシワの根本的な発生要因は、一重まぶた・眼瞼下垂・老化による瞼のタルミなのです(目元の手術:眼瞼下垂・眉毛下切開の項目参照)。眼瞼の解剖を理解していない皮膚科医あがりの美容皮膚科医が収益のためにボトックス注射に手を出していますが、眼瞼と額のシワの関係を理解していないために、額のボトックス注射後、眉毛・瞼の垂れ下がりが酷くなり医原性眼瞼下垂を引き起こすトラブルが見受けられます。たかだが、ボトックス注射ですが、顔面解剖をしっかりと理解している美容外科医で施術をお勧めします。
また、目尻のシワは笑いジワでもあるため、笑顔を見せない無愛想で能面のような無表情の人にはできないわけです。逆に言えば、適度な目尻のシワは素敵な笑顔の象徴であり、決して悪者ではないと考えます。目尻はボトックスの量を控えめにしたり、微妙なサジ加減をしており、センスが問われるところです。逆に眉間のシワは、他人に対し不快な印象を与えるので「百害あって一利無し」です。大袈裟ですが、男女問わず全人類がやるべきと考えます。
また、ボトックス注射の他部位の応用として、エラ(咬筋)・下腿・ワキ汗があります。エラ(咬筋)と下腿の筋肉に注射すると、脳からの指令が伝わりにくくなり、筋肉が怠けて使われなくなってしまうので筋肉量が減少して小顔や下腿が細くなるわけです。専門用語で廃用性萎縮といい、寝たきり老人の四肢が細いことや、足を骨折してギブスを装着すると、ギブスを取る頃にはユルユルなってしまうことが分かり易い例です。 ワキ汗もエクリン腺(汗腺)への「発汗しろ」という指令がブロックされることにより、 ワキ汗が減り、ワキの多汗症(水っぽい汗・汗染み)に極めて有効です。しかし、いわゆる腋臭症(ワキガ)の原因のアポクリン腺にはあまり効きませんので、腋臭症でお悩みの方は手術をお勧めします。
リスク・ダウンタイム
- ・注射部位の内出血は2~3日、効果持続は3カ月~6カ月。
- ・額、眉間ボトックスでは眉毛下垂が起こります。
- ・エラボトックス(咬筋ボトックス)では、咬筋のボリュームが減少することにより頬の皮膚が余剰となり、たるむことがあります。
- ・ふくらはぎボトックスでは1週間程度、歩行困難になる事があります。
- ・上記の副作用・リスクはボトックスの効果が切れる事により自然回復します。
料金
ボトックス | 額・眉間・目尻・鼻根部 | 各25,000円 (税込27,500円) |
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エラ・ワキ | 各45,000円 (税込49,500円) |
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手掌・足底 | 各63,000円 (税込69,300円) |
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下腿 | 100,000円 (税込110,000円) |
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ヒアルロン酸注入 | 鼻・アゴ・頬・ 法令線・口唇 |
1本40,000円 (税込44,000円) (注入部位・希望により必要本数が異なります) |
ヒアルロン酸溶解注射 1本=1500単位 |
30,000円(税込33,000円) |