鼻の考え方
鼻の悩みで来院される患者様は、「低い鼻を高くしたい」「団子鼻を細くしたい」「小鼻を目立たなくしたい」などの希望はありますが、具体的には抽象的なイメージしか持っていないと思われます。鼻は顔の中心に位置し、目に次いで顔貌を印象づける重要なパーツです。鼻の手術を細かく分類しているクリニックもありますが、一般の方にも理解しやすいようにできるだけシンプルに解説いたします。右図のように鼻筋・鼻先・小鼻の3ヶ所のパーツに分けて考えます。即ち(1)眉間・隆鼻術(低い鼻根部・鼻筋を高くする)、(2)(3)鼻尖縮小術・鼻尖形成術・鼻中延長術(団子鼻を細くする、上向きの鼻先を下向きに伸ばす)、(4)鼻翼縮小術(小鼻の膨らみを目立たなくする)となります。
目と同じように鼻の手術も優先順位があります。図の(1)(2)(3)の番号順、つまり鼻の中心線から整えることを考えなければなりません。日頃診療して感じることは、「私の鼻がカッコ悪いのは小鼻のせい」と思い込んでいる患者様が意外と多いことです。顔の中心で、他人の視線が一番集まる鼻の中心線に問題があるのに、小鼻だけを手術しても本末転倒の鼻なのです(鼻翼縮小の症例参照)。まず、中心線(1)(2)(3)を整えてそれでも気になるなら、(4)の小鼻の手術をするべきなのです。逆に言えば中心線(1)(2)(3)を整えると、意外と小鼻が目立たなく、気にならなくなり(4)鼻翼縮小術をしなくても満足してしまうこともあります。
勿論、鼻の中心線が元々整っている方はその限りではなく、最初から(4)鼻翼縮小術だけを行えば良い訳です。
さらに、鼻の中心線でも鼻筋を整えるまず(1)を優先すべきなのです。その為に、(1)(2)(3)(4)の番号順になるのです。ただし、(1)(2)(3)の手術は切開線からのアプローチが同じ通り道であるため、ご予算が許すならば(1)+(2)or(3)は同時に行う方が望ましいのです。
また我々、日本人(東洋人)の鼻は西洋人に比べると下記のような特徴(欠点)があります。これらを克服しなければならないので鼻の手術は難しいと言われる所以です。
1. 鼻が短く、低い
2. 皮膚・皮下組織が厚い
3. 軟骨が小さく、軟らかい
これらをふまえ、(1)~(4)の手術を解説します。