腋臭症(ワキガ)
ワキガ(腋臭症)はアポクリン腺が発達しているために、その分泌物・皮脂・最近繁殖により、不快な臭いを発する状態を言います。アポクリン腺はワキの下・陰部・外耳道にのみ誰にでも存在し全く無臭の人はいませんが、ワキガの人は他人よりアポクリン腺が著しく発達していて遺伝傾向があると言われています。また同時に外耳道のアポクリン腺も発達しているので、耳垢が絶えず湿っています。
1. ワキの臭いが気になる。
2. シャツのワキ部分の汗ジミが黄ばみ、洗濯しても落ちにくい。
3. 耳垢が湿っている。
4. 家族にワキガの人がいる。
以上の条件があるとワキガ(腋臭症)の可能性が高くなります。
それに対して、腋窩多汗症はエクリン腺による殆んど無臭の水っぽい汗による汗ジミで、精神性(緊張性)発汗や温熱発汗も一要因です。
いずれにしても、ワキが全く無臭・無汗の人はいません。あくまでも他人(平均)との相対的比較になります。我々日本人は清潔無臭志向が強いですが、欧米人・黒人は人種的に腋臭症が多いとされています。
主にワキガ(臭い)が気になる人は手術。臭いは殆んど気にならないが、無色無臭の汗ジミが気になる人はボトックス注射が効果的とされています。
それぞれの効果は下記のように考えると良いでしょう。
ワキガ(腋臭症) | 腋窩多汗症 | |
---|---|---|
手術 | ◎ | ○~△ |
ボトックス注射 | ○~△ | ◎ |
最近は器械やレーザー治療などもあるようですが、効果は殆んど期待出来ません。
当院は直視下反転剪除法というオーソドックスですが最も効果があり、傷後も殆んど目立たない方法で行っています。局所麻酔後、ワキ毛の範囲の中心部のシワに沿って3~4cm切開します(図②)。切開線の両側の皮弁を片側ずつ反転(裏返し)し手術用のハサミで丁寧にアポクリン腺を除去していきます(図③)。またアポクリン腺はワキ毛の毛根部に付着しているので、同時にワキ毛も毛根ごと除去できて、脱毛効果もあるという一石二鳥となります(図①)。
切開線の傷は線となって残りますが、シワに沿った傷なので半年程度で殆んどわからなくなります(術後1ヶ月の写真です)。