Z-plasty (Z形成術)
2012-08-06 09:39:40
今回は少し難しいけれど、面白いお話を・・・
形成外科では基本中の基本のZ形成術をお話します。
手術後や外傷後の傷跡は多かれ少なかれ瘢痕と言って、
硬くなり、ヒキツレ(突っ張り)ます。
見た目だけの問題なら放置でもよいのですが、
関節などの可動部位では運動制限が起こります。
そのヒキツレ(突っ張り)を解除するのがZ形成術です。
詳細は検索していただきたいのですが、Z状に切れ込みを入れ、
三角弁(三角状の皮膚)を入れ替えて、
ヒキツレ(突っ張り)のかかる方向(軸)を変えて治す方法です。
最近、わかりやすい面白い症例がありましたので、お見せしましょう。
他院で下眼瞼切開(タルミ取り)をした後、左の目尻が
アヒルの足の水カキ状になり目尻が突っ張って不快とのことでした。
水カキ状の瘢痕が邪魔して突っ張るのです。そこでZ形成術です。
初診時の写真です↓
Z形成術の術前デザインです↓
術後はZの向きが入れ替わります↓
説明用のマーキングを消した術後写真です↓
目尻の水カキが解除されたのがわかりますね。
紙に写真のデザインのようにZ状の切れ込みを入れ、
三角状になった弁を入れ替えて、軸の向きを変えてみて下さい。
力のかかる向きが変わったのがわかると思います。
まるで図工ですよね。形成外科は面白いです。