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マラセチアの季節

2015-06-01 08:33:29

6月に入りいよいよ蒸し暑い季節になります。


この時期になると増えるのがマラセチア感染症です。


マラセチア・フルフルという真菌(カビ)によるものです。


この菌は90%の成人には常在菌として生着しています。


この菌による毛包炎(ニキビ様)を「マラセチア毛包炎」、


指頭大の色素斑の症状の場合を「癜風」といいます。


本日は「癜風」です。体にシミが多発してきたと訴えて受診されます。


実は真菌(カビ)なのです。抗真菌薬で劇的に改善します。




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今日の症例は、この患者様の糖尿病の内科かかりつけ医の先生より

ご紹介いただいた患者様です。


定期診察の際に「最近皮膚に出来物が増えてきた」と


患者様から申告があり、専門外という事で当院にご紹介いただきました。



診た瞬間、「アッ」と声をあげそうになりました。

ほぼ同時期に発生してきたという事、ご高齢ということを踏まえ、

我々専門家が診れば瞬時に診断がつきます。

答えは、皮膚腫瘍と言っても皮膚自体の問題ではなく

何らかの内臓悪性腫瘍(癌)が原発の皮膚転移を考えます。

そのうちの一個を直ちに切除を兼ねて病理検査(細胞検査)したところ


結果は予想通りで、悪性リンパ腫という血液系の癌でした。


すでに大学病院にお願いして抗がん剤の治療を開始している筈です。


内臓の病気の一症状として皮膚に異変が生じる事をデルマドロームと言います。


我々開業医は、勤務医をやめると専門高度治療の現場からは


遠ざかることになりますが、このようにかかりつけ医として


初期症状を見逃さないようにするのが務めであり、また誇りと思います。


当院近隣の先生からのご紹介いただく機会が増え


地域医療に貢献できている喜びを実感しているこの頃です。

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固定薬疹

2015-04-21 10:33:09

薬疹というのは読んで字のごとく、内服薬のアレルギー(副作用)で


ジンマシンのようなブツブツ(発疹)が生じる事です。


市販の風邪薬や処方の抗生剤・鎮痛解熱剤が原因となる事が多いですね。


その中で固定薬疹というのは、同一薬物の摂取を繰り返すことにより


特定の同一部位(固定)にのみ繰り返し発疹(薬疹)が起こる病態です。


それを繰り返していると、だんだん炎症後色素沈着(シミ)になってしまいます。


「シミ」との訴えで受診され、実は固定薬疹だったということもあります。


固定薬疹は、口唇周囲粘膜や四肢の同一部位に生じる事が多く、


原因薬は、鎮痛解熱剤(特にメフェナム酸:ポンタール)


テトラサイクリンン系抗生剤(ミノマイシン)などの頻度が多いとされています。


本日の症例は、手指に突然謎の赤い水疱(水ぶくれ)が発症したと


受診されました。一見、ヤケドか虫刺されの水疱に見えましたが、


そのようなエピソードはないとのこと・・・


もしや・・・と思い詳細な問診をしたところ風邪で内科受診され


まさにポンタール(メフェナム酸)を内服しているとの事。


固定薬疹と診断し、今後は避けるように注意しました。


これはこの病名を知っているか知っていないかというだけです。


絶えずあらゆる可能性を考えなければなりません。↓



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低温ヤケドの怖さ

2014-12-07 04:01:56

前回のブログに書きましたが、湯たんぽによる低温ヤケドが


完治までに時間がかかり厄介と申しましたが、その経過写真です。


早期からフィブラストスプレーなど外用療法を開始しましたが・・・・

中心部が黒色壊死(皮膚の細胞が死んでしまう状態)をおこしています。

このような場合、ブロメライン軟膏などを使いながら

デブリードメント(壊死組織は治癒の邪魔になるので除去する事)をして

上皮化を待ちます。場合によっては植皮する方が良い場合もあります。

いずれにしても、いつかは必ず治癒しますが時間がかかり、

また瘢痕も必ず残ってしまします。

くれぐれもご注意を!湯たんぽ・アンカは就寝前には必ず外す事!

桜田通りのイチョウ並木も、だいぶ落ちてきました(背後は虎ノ門ヒルズです)。


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11月も終わり

2014-11-30 07:52:32

またブログを放置してしまった。


11月も本日で終わり、明日から師走ですね。


で、患者様にお願いがあります。


これは全ての医療機関に共通のことです。


一つ目は・・・


年末は非常に混み合います。毎年年末に繰り広げられる光景です。


年内最終診療日に初診され、その内容は・・・


何年も前からの水虫、

子供の頃からあるホクロ

半年前からある粉瘤・・・・etc


年内に疾患を治療して、気持ち新たに新年を迎えたい。


そのお気持ちはわかりますが・・・でしたらもっと早く受診しましょう。


水虫も数回の受診は必要ですし、完治には2~3ヶ月かかります。

当日手術枠も当然空いていないし、翌日の消毒、抜糸にも通院が必要です。

二つ目は・・・・

毎冬になると増えますが、湯たんぽによる低温ヤケドです。

今冬もすでに1人受傷されました。

湯たんぽ・アンカによる低温ヤケドは非常に厄介です。

深くまで侵襲され、治りも悪く、瘢痕も残ります。

湯たんぽ・アンカを使用する時は、就寝直前まで寝具に入れて温め

就寝する時は湯たんぽ・アンカを外すのが鉄則です。ご注意を!

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