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切開縫合した手術後の傷痕は、形成外科・美容外科のテクニックを

用いても消えることは絶対にありえません。決して魔法ではないので。

しかし、抜糸直後は痛々しい傷も半年~1年待てばかなり目立たなく

なります。待つのも大事な治療です。

手術の結果に特に不満やトラブルがなければ、患者様も忙しいので

なかなか再診にいらしてくれません。医師サイドとしては、わずかな

再診料を稼ぎたいのではなく、学術的な意味・自身の手技の確認の

ために経過を診たいのですが・・・「便りがないのは良い知らせ」

と思うしかないのです。


従って、術後一ヶ月の再診に来ていたければマシです。

今回たまたま耳垂裂術後、6ヶ月の患者様が別件で受診されたので

写真を撮らせていただきました。術式は定型どおりのジグザグ縫合です↓


http://kamiyacho-skin.com/menu/plastic/jisuiretsu/


術前です


術後です


全くと言って良いほどわからなくなっています。耳垂の形も完璧です。


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皮弁法1

2014-10-05 07:56:43

皮膚腫瘍を全摘出すると、その部分は欠損し穴が空きます。


欠損部が小さく皮膚の伸展がよければ、単純縫縮(寄せて縫う)。


大きい場合は植皮術が用いられます。植皮術は他の正常皮膚部分


から採皮するため、カラーマッチングが悪く、パッチワークのように


なり、顔面ではあまり望ましくありません。そこで皮弁法です。


皮弁法は欠損部に近接する皮膚を移動させて縫合する方法です。


単純縫縮より傷が短く、皮膚の緊張も少なく済みます。


症例は右頬部の皮膚腫瘍です。まずデザインです。


右の三角形の部分を皮弁と呼びます。


切開して腫瘍全摘出後、皮弁を回転させます。

縫合終了後です、北斗七星型の傷で単純縫縮より短く済みました。

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季節遅れの手足口病

2014-09-21 07:39:35

手足口病は、文字通り手足口に紅斑(赤み)を伴う


水疱が出来る病気です。小児に多く、夏季に流行します。


昨年、一昨年とかなり流行りましたが、今夏は少かったです。


と、思っていたら初秋の先日忘れた頃に手足口病の成人の患者様が


来院されました。成人の場合、高熱や水疱に疼痛を伴う場合が

多く、解熱鎮痛剤で経過をみます。

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前回、ケロイドの治療は大変と書きましたが実際編です。


右胸部に粉瘤(オデキ)を、前医にて切開して処置したとの事です。


手術(全摘)ではなく、切開して膿(ウミ)を圧出しただけなのに


半年くらいしてから徐々に隆起してきてケロイドになってしまいました。


粉瘤本体を超えてケロイドになっています。


胸部はケロイドの好発部位で、「触らぬ神に祟りなし」で、

ステロイド外用や、ステロイド注射で逃げたいところです。

しかし、前医ではあくまでも「応急処置」であり、粉瘤を全摘していません。

従って、粉瘤がまた再発してさらにケロイドが肥大する可能性があります。

このようなときは、あえて粉瘤をケロイド毎切除した方が

メリットが大きいと判断し、全摘出手術をおこないました。

単純切除ではダメNGです。下図のようにジグザグや波型にデザインします。

それにより直線の傷ではなく、ジグザクの傷になり、

張力が分断、分散されてケロイドになりにくくなります。



デザインではかなり角度をつけたつもりですが、縫合後は角度は意外と

ゆるくなります。しかし、ジグザグは保たれています。

術後無事に抜糸しましたが、勝負はこれからです。

長期経過を見なければ評価できません。本当にケロイドは厄介です。

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ケロイドの治療 その①

2014-09-15 07:25:28

ケロイドの治療はなかなか大変です。


生来の体質による場合が多いとされています。

見た目の問題だけでなく、疼痛やかゆみに悩まされます。

ケロイドの塊を切除して単純に縫合すれば良さそうですが、

生来の体質なので、その部分が再びケロイドになってしまいます。

従って「触らぬ神に祟りなし」の諺のように、医師は尻込みしがちです。

それでも少しでも改善するように色々な治療が試されます。

どれ一つ完璧な方法はありません。

ケロイドについてだけで教科書に1冊になりますし、

ケロイド専門の学会・勉強会もあり、その道の専門家が研究しています。


それだけ奥が深いのです。


代表的な治療は、ステロイドの外用・注射、トラニラスト(リザベン)の内服、

手術(切除)、放射線治療などです、詳細は成書にゆずります。

次回はその症例をお見せします。


 

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